Net App Satisfaction Score(NASS)の算出方法

NASS は、アプリを公開している企業ごとに、毎月、アプリが App Store で受け取る肯定的な評価と否定的な評価の差を測る指標です。その月にアプリが受け取った評価と書面レビューから、誰でも再現できる計算式で算出します。

著者 Maxime Doussin · 手法 v1、2026年9月

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NASS が測るもの

NASS は App Store の評価の純スコアです。星5の評価の割合から星1〜3の評価の割合を引いた値で、−100 から +100 の範囲をとります。評価を残すユーザーはアプリの全ユーザーを代表する標本ではなく、NASS は評価したユーザーを表します。企業ごと・月ごとに、App Store の公開された件数だけから計算します。各アプリページに表示される星の段階ごとの評価件数と、ユーザーが公開した書面レビューです。言語モデル、感情分類器、推定値は計算に一切使いません。

NASS = ½ × スコア(レビューなしの評価)+ ½ × スコア(書面レビュー)。スコア = 星5の割合(%)− 星1〜3の割合(%)

例:ある月に、ある企業がレビューなしの評価を 80,000 件(星5が70%、星4が10%、星1〜3が20%)、書面レビューを 2,000 件(星5が45%、星4が5%、星1〜3が50%)受け取ったとします。評価のスコア:70 − 20 = +50。レビューのスコア:45 − 50 = −5。NASS = ½ × 50 + ½ × (−5) = +22.5。

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スケール

各評価は星の数に応じて一度だけ数えます。

満足

星5。

中立

星4。合計には含めますが、満足にも不満にも数えません。

不満

星1、2、3。

考え方は Net Promoter Score に近いものの、NASS はアプリを勧めるかどうかをユーザーに尋ねません。実際に残された評価を読み取ります。星3を不満ではなく中立として数えても、企業の順位はほとんど変わりません(2026年8月の順位相関は 0.998)。

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2つのチャネルを同じ重みで

評価は、偏りの向きが逆の2つのチャネルから App Store に届きます。大半はテキストなしで残され、多くの場合、開発者が選んだタイミングでアプリ自身が評価を求めたときです。こちらは高めに偏ります。書面レビューは手間がかかり、問題を抱えたユーザーが書くことが多いため、低めに偏ります。NASS は各チャネルを別々に採点し、件数にかかわらずそれぞれに半分の重みを与えます。この取り決めは、求められて付けられた評価の重みを抑えるものであり、各チャネルの偏りを打ち消すものではありません。2つのサブスコアは常に NASS と並べて公開するため、誰でも別の重み付けで再計算できます。

2026年8月、対象条件を満たした 163 社の平均は、レビューなしの評価が +72.9、書面レビューが +25.6 でした。

書面レビューの重みを変えて作成した企業ランキング間の順位相関(2026年8月)
比較した重み順位相関
評価のみ vs レビューのみ0.48
評価のみ vs 同じ重み0.62
レビュー25% vs 75%0.93
レビュー50% vs 100%0.98

評価だけで作ったランキングは独自の順位になり、しかもそれは開発者がコントロールできるチャネルです。書面レビューの重みが25%以上になると、重みの選び方でランキングはほとんど変わりません。同じ重みはその範囲の中央にあります。

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データと期間

各 App Store ページで公開されている評価件数と書面レビューを、MWM Intelligence が毎日記録しています。

  • 累計ではなく流入。NASS はその月に受け取った評価を使います。月末の件数と前月末の件数の差を、ストアフロントごとに計算します。何年分もの履歴を反映する累計値は使いません。
  • レビューなしの評価は、その月の評価からその月の書面レビューを星ごとに差し引いたものです。同じ評価を二重に数えることはありません。
  • 企業とは事業上の範囲、つまりそのすべての App Store アカウントの合計です。独立した事業として運営される子会社は別の行に残します。
  • バージョン1は iOS アプリを対象とし、ゲームは除外します。公開するのは全世界と米国の2つの地域です。
  • 月次シリーズは 2025年1月から始まります。
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精度と対象条件

各 NASS には 90% 信頼区間を付けます。同じ母集団における2つの割合の差の厳密な分散から計算します。この区間が示すのは統計的な精度だけです。誰が評価するか、アプリによる評価の依頼、収集から漏れたレビュー、国ごとの違いは含みません。

SE(チャネル)= √((p5 + p1-3 − (p5 − p1-3)²) / n) × 100 · SE(NASS)= ½ × √(SE(評価)² + SE(レビュー)²) · 90% 区間 = ±1.645 × SE(NASS)

ある月に企業をランキングの対象とするのは、次の条件をすべて満たす場合だけです。

  • レビューなしの評価を 5,000 件以上受け取っている。
  • 書面レビューを 120 件以上受け取っている(これを下回ると、すべてのレビューが同じ評価のチャネルでは誤差の幅がゼロと表示されてしまうため)。
  • 評価の 90% 以上が、当社の書面レビュー収集の対象アプリからのものである。
  • 90% 区間の幅が ±2 ポイント以内である。

月ごとの変化を「動き」として示すのは、2か月分を合わせた区間を超える場合だけです。合成区間は √(m₁² + m₂²)(m₁ と m₂ はそれぞれの 90% の誤差幅)です。同じ月に2つのアプリや企業を区別できるかどうかも、同じ規則で判断します。

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除外とデータ品質

  • 評価のリセット。開発者が新しいバージョンでアプリの評価をリセットすると、そのストアフロントの件数が下がります。その日はそのアプリとストアフロントについて除外しますが、前後に受け取った評価は引き続き数えます。
  • 初回の観測。アプリがあるストアフロントに初めて現れた日には前回の件数がないため、流入を計算できません。除外します。
  • データソースの再送。全世界の流入が直前28日間の中央値の10倍を超え、しかも前の週に欠損日がない日は、その日に受け取った評価ではなく、件数の一斉再送です。除外します。20か月のうち一度、2025年10月26日に発生しました。
  • 欠損日。データがない日の変化は、次に利用できる日にまとめて反映されます。各月・各週に、使えるデータがなかった日数を記録します。

再現性。別のデータソースの App Store 評価件数から NASS を再計算しても、丸めを除いて同じ値になるはずです。NASS は月次の流入を使うため、ソースがリセットをどう扱うかに左右されません。累計の件数で計算しても、最後のリセット以降の件数で計算しても、リセット日以外の月次流入は同じです。

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限界

01

NASS は NPS ではありません。推奨について尋ねるのではなく、ユーザーが実際に付けた星を読み取ります。

02

評価はアプリが開発者の選んだタイミングで求めるものです。そのため書面レビューに半分の重みを与え、2つのサブスコアをどちらも公開しています。

03

バージョン1は iOS アプリのみが対象です。ゲームと Android はまだ含みません。

04

対象条件を下回る企業はランキングに含めません。スコアがユーザーではなく偶然のばらつきで動いてしまうためです。

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企業の範囲は公開情報をもとに整理しており、買収が明らかになれば変わることがあります。

mwm.ai は MWM が運営しており、MWM のアプリも NASS に含まれます。MWM を含むすべての企業に同じルールを適用します。重み付けは手法上の理由で決めたもので、2026年1月から8月まで、レビューの重みを25%から100%のどこに置いても、MWM の順位は8位を超えて動きませんでした。

これは手法のバージョン1(2026年9月)です。変更する場合は日付付きの新しいバージョンを公開し、履歴を再計算します。